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初めまして宮沢雅宏と申します。
中国の西安において馬賢達老師と
田春陽老師より中国伝統武術である
通備拳を学んでまいりました。
このブログには武術に関する理論やエッセイを掲載してまいります。

本格中国武術教室通備拳斬卸会、現在会員募集中です!
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真・八極拳戦闘理論

八極拳を実際にどう使うか?以前にも書きましたが、この分野の先駆者として存在していたのが七堂利幸氏です。氏の八極拳戦術については概ね私も同意しておりますが、氏が散打大会などを通して示した戦闘スタイルが八極拳とはかけ離れたものであったために氏が批判にさらされたことは周知のとおりです。
思うに七堂氏には武器術、つまり剣棍刀槍の概念が欠けていたのではないのでしょうか? だから八極拳戦術を試す場として大道塾チックな試合ルールを設定してしまい、武器術と互換性のない、振り回すようなパンチキックを打つことになったのではないかと思います。
そこで私は七堂氏に欠けていた部分を補完する形で今回の動画を撮ってみました。
まず、八極ワンツーについてはすでに七堂氏が雑誌「武芸」において紹介しております。
KIMG0060.jpg
しかし七堂氏の八極ワンツーには技の使える間合いへの入り方に対する説明は書かれておりません。
そこで私は、私が「ライン取り」と呼んでいる間合いの詰め方、つまり相手の出っ張りをおさえるように相手に接触していくという方法を加えています。そしてこのライン取りとは、まさに武器術の動きそのものなのです。このライン取りによって相手に接触する、もしくは狙いの空間を占有したところから八極ワンツーへとつなげるわけです。そしてこの八極ワンツーは踏み込んだ足が着地をする前に、突きが相手に到達するというタイミングで打つことが重要です。このタイミングもまた武器を打ち込むときのタイミングに他なりません。八極ワンツーを打っても相手が倒れず間合いが詰まったら、七堂氏は斜跨や雲閉捶という八極拳独特の技につなげると書いていました。私も似たようなものですが、私の場合は腕をクロスブロックにしてぶち当たります。実は八極拳には、このクロスブロックの状態から使える技が豊富にあるのです。さて、ここまで書きましたが、やはり文字や動画では伝えられないものがあります。興味のある方は、ぜひ通備拳斬卸会にご入会ください(^∇^)ノ

踢腿の重要性を説く八極拳士たち

あらゆる中国武術の門派にとって基本的かつ最重要な練習は踢腿である、と私はさんざん言ってきましたが、蹴りがほとんどない門派、例えば八極拳や形意拳をやっている人たちの中には踢腿を軽視する人が多いように感じます。出来なくてもよいと思ってる感じですね。もしかしたらそういった人たちの頭には、このシーンが強く印象に残っているのかも知れません。
kunfu.png


つまり、飛んだり跳ねたりするよりも、ずーっと馬歩の姿勢のまま耐えるほうが強くなるというようないわば「空気椅子信仰」ですね。高い蹴りや跳び蹴りをやっても功夫は養えないと。けれども実は飛んだり跳ねたりする方がよっぽど足腰を鍛えられるんですけどね。私だったら「他人が空気椅子をやってる間に毎日飛んだり跳ねたりバタバタしろ」と言うでしょう。
実は八極拳で名人と呼ばれるような人たちは、おそらく全員、長拳基本功をやり込んだという事実があります。
例えばかつてあった中国武術専門誌「うーしゅう(武術)」の7号に長春八極拳の張世忠氏と李英氏のプロフィールが載っていますが、張世忠氏は子供の頃は太祖拳という長拳に属する武術をやっていたとのこと、李英氏も子供の頃は長拳をやっていたそうです。また全伝八極拳という本に長春八極拳の譚吉堂氏のインタビューが載っていますが、譚氏も子供の頃は長拳をやっていたとのこと、そして李書文の弟子である霍殿閣も長拳をやっていたと証言しています。また中国武術専門誌「武芸」の1996年夏号で呉氏八極拳の服部哲也氏が「長拳基本功 要、不要?」というコラムの中で呉氏八極拳の呉連枝氏がみっちりと長拳基本功を練り込んでいたことを書いています。他にも武壇八極拳の劉雲焦氏も李書文に習う前は太祖拳や燕青拳をやり込んでいたという話ですし、馬氏八極拳の人たちにおいては言う必要がないほどやり込んでいます。どうやら長拳基本功が嫌いなのは松田隆智先生だけだったんじゃないかという気がします。まあとにかく、中国武術をやる人たち全体のレベルを上げるには、もっと長拳基本功の重要性が認知される必要があると考えます。一人でも多くの人にそのことを気付いてもらいたいですね。

七堂利幸氏の八極拳戦術を再考する。

本棚を整理していたら面白いものが出てきました。
KIMG0059.jpg

かつて存在した中国武術の専門雑誌「武芸」です。私がまだ中国武術というものの存在を知ったぐらいの時に買ったものですね。
さて、今回この雑誌を読み返していたところ面白い記事を見つけました。それは七堂利幸氏の記事です。七堂氏と言えば八極拳を実際に散打の試合で使うことを研究しておられた方でご自分でも散打の大会を開催されておられました。しかし、八極拳の関係者の間では七堂氏の評判はハッキリ言って悪いです。その原因は、七堂氏は套路練習しかしない八極拳修行者のことを馬鹿にするような発言をしていたこと、それでいて七堂氏が主張する八極拳の戦い方がまるで八極拳には見えず、まさに劣化フルコンタクト空手のようなことをしていたこと、にあると思います。私もそのような理由で七堂氏には全く注目していなかったのですが、武芸に載っていた記事を読んで再考の必要があると判断しました。今回はそのことについて書きます。
さて、記事を読んで色々と突っ込みたいところもあるのですが、まずは純粋に七堂氏が主張する八極拳戦術とはどのようなものであったかを見てみましょう。
七堂氏は八極拳の戦術として次の三つの項目を上げています。
(1) 絶対に下がらないこと
(2) 相手がスウェーやフットワークで逃げても独特の歩法でついていくこと
(3) 突き蹴りと投げが連携していること
これらについては私もその通りだと思います。特に(1)と(2)については呉連枝先生の演示によって八極拳基本の突きというものが紹介されています。
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それによりますと、まず構えた方の前足(左足)で踏み込むと同時に前手(左手)で相手を突く、この時縦拳で相手のガードをすり抜けるような突き方をしています。そこからさらに左足でもう一歩踏み込んで右手で逆突き(縦拳)を突きます。この逆突きの時にもう一歩踏み込めるかどうかが八極拳を実際に使えるかどうかの明暗を分けますさすが七堂氏は実際に八極拳を使うための研究をしてきただけあってそのことが分かっていたのでしょう。私が紹介してきた八極ワンツーも同様のコンセプトで作られたものです。


ここまでは素晴らしいのですが、では七堂氏の失敗は何だったかというと散打のルール設定にあったと言えるでしょう。七堂氏が採用していたのはフェイスガードをつけてのKOルールというもので大道塾というフルコン空手団体が採用しているルールです。つまり、このルールで闘うならば大道塾スタイルが一番合理的であり、このルールに習熟すればするほど大道塾スタイルに近いものが出来上がり八極拳の戦い方からは離れてしまう、結果的に劣化大道塾スタイルとでも言うべきものが出来上がり七堂氏は批判にさらされることになったと言えると思います。せめて回し蹴りを禁止するなどして八極拳のために差別化されたルールを考案するべきだったと思います。
まとめると、七堂氏の試みには非常にもったいないものがあるので、どうにか今後に生かせないかと思う次第です。

これが八極拳の打撃だ!

八極拳は威力が強いことで知られています、が、なぜか今まで八極拳の打撃でサンドバッグを打つような動画が上げられてこなかったみたいです。ま、生徒にミット持たせて吹っ飛ばすようなアホな発勁動画とかならありますが。まあとにかく、八極拳サンドバッグ打ちの動画に関しては私が一番乗りですね。某八極拳教室では生徒の八極拳の突きでサンドバッグの紐がちぎれて吹っ飛んでいくそうですがぜひyoutubeに動画を上げていただきたいものですね。
さて八極拳の突きがなぜ強力なのか?それは打撃に体当たりの威力を乗せてるからです。まあここまでは知ってる方も多いのかもしれませんが、知っていることと実際にできるかどうかは別です。基礎ができてなければ体当たりの威力を拳で支え切れないでしょう。特に手首がグキと行きます。
八極拳の突きについて、まずは順歩冲捶から解説していきましょう。
順歩冲捶では蹍歩という歩法が重要になります。蹍歩とは爪先をひねって体を横向きにスライドさせるような歩法のことです。まずは大きく踏み込むこと、これについては以前から何度も説明してます。
そして踏み込んだ足が着地する瞬間弓歩になります。
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そして着地した足へガーンと帰ってくる地面からの反動、これを利用して蹍歩を行い体を横向きにするわけです。

次に拗歩冲捶です。よくある間違いなのですが、移動して突きを打つ時、足で急ブレーキをかけた勢いで突きを打つというものがあります。例えるなら高速で走る自動車が急ブレーキをかけると中の運転手が飛び出してくる、つまり足を車、突きを飛び出す運転手に例えてるわけです。しかしぶつかる衝撃が一番強いのは車でそのまま突っ込んでしまうことです。拗歩冲捶はこの原理を利用して突くわけです。
突く時に後ろ足で地面を震脚しその反動で弾丸のように飛び込む、そして前足が地面に着地するより先に拳が目標に到達するように打つ、これで拳に全体重が乗ります。
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体当たりの要領で拳に全体重を乗せる、これでこそ八極拳の突きと言えるでしょう。


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鉄山靠はどう使う?

youtubeを見ていたらたまたま見つけた動画です。

どうやらお二人とも中国武術の経験は全く無いようです。馬歩も弓歩もできてませんね。で、拳児のまねをして技をかけてるようです。
しかしこの鉄山靠の用法、あながち間違ってはいません。相手が振りかぶってくる方の腕の脇の下に潜り込みつつ、頭突きや体当たりを食らわせるというのは確かにあります。できればその際、相手の上腕に自分の手を添え肘打ちが来ないようにしておくべきですね。ああそれと鉄山靠は本来の八極拳では貼山靠と呼ばれてますね。ただ「貼」と「鉄」は中国語の発音は同じですから実際に鉄山靠と呼んでいる地域があったのかもしれません。漫画的には鉄山靠のほうが名前がかっこいいから松田先生はそちらを採用したというところでしょうか。で、こうした靠というか体当たりなんですけど本来は推手の応用として使うのが一般的ですね。4月22日の講習会でも説明したのですけど推手の核心と言われる太極十三勢には靠の字訣が含まれていて、掤、捋、擠、按という流れの中で攻撃として靠を加えていくのです。要するに靠は推手からの変化だと思えばよいでしょう。剣道でも鍔迫り合いの状態からちょっと身体を横にすれば体当たりをしやすそうですね。反則かもしれませんが。あとこれはかつて聞いた話で定かではないのですが、中国軍の一部では銃剣術のカリキュラムの一つとして八極拳が採用されてるみたいですね。何でも銃剣同士が詰まって鍔迫り合いになったとき体を横にして体当たりに行くのが有効だからという話ですよ。

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