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Author:gongze
FC2ブログへようこそ!
初めまして宮沢雅宏と申します。
中国の西安において馬賢達老師と
田春陽老師より中国伝統武術である
通備拳を学んでまいりました。
このブログには武術に関する理論やエッセイを掲載してまいります。

本格中国武術教室通備拳斬卸会、現在会員募集中です!
入会や講習会についてのご案内は通備拳斬卸会HPを御覧ください。

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あんなことができれば苦労はしない。

M平先生のやっているデモンストレーションは素人目にはすごく見えるのかもしれませんが、実際には使い物になりません。あんなことができるのであれば「組手になると八極拳がつかえなくなる」と悩む人たちは出ないわけです。
一体どういうことなのか?詳しいことを知りたい方はぜひオフ会にご参加ください。
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「八極相撲の構え」から「八極迎敵勢」へ

当会で八極拳用に採用している構えに「八極相撲の構え」というものがありました。
geiteki.png

これはもともと当会が八極拳用の組手ルールとして開発した
「八極相撲」で使われる構えであり,
私はそのまんま「八極相撲の構え」と呼んでいたものです。
しかし,今回会員の方から「相撲と紛らわしいのではないか?」という指摘があり,
私も「言われてみればそうかも」と思ったので,
相撲と区別するためにきちんとした名称を考えようと思いました。
そこで決まったのが 「八極迎敵勢」 と言う名称です。
敵を迎撃するという意味合いで名付けました。
この八極迎敵勢は八極相撲ルールのみならず,他格闘競技の打・投・極に対応でき,
八極拳の技を自在に繰り出すことができるようになるという非常に優れたものです。
八極拳の技を使いこなしてみたいという方はぜひこの八極迎敵勢をお試しあれ(^▽^)/

八極拳の威力を発揮できる立ち方について

八極拳は相撲に近い戦い方をする武術です。つまり,一度相手に接触したらひたすら前へ前へと潰しに行く,それこそが八極拳の真骨頂ともいうべき戦い方です。そのためにはまず立ち方が前へ前へと進む前進力を支えられるだけの強靭なものでなければなりません。ではどういった立ち方が強靭なのか?八極相撲の構えを例にして見てみましょう。
machi.png
この写真のように前足の爪先をやや内側に絞って相手に向けて,脛から膝が正面から見たときに横にある壁にピタッと寄り添うように一直線上にある。そして後ろ足の膝は外側を向いている。これが最も前進力を発揮できる立ち方です。
駄目な立ち方も見てみましょう。
IMG_0147.jpg
このように前足の爪先が横を向いて,相手に尻の横が見えてしまう構えは,相手とぶつかったときに相手の圧力に耐えられない立ち方です。すでに逃げ腰の状態になっています。
ただ,劈掛拳などにはわざとこのような逃げ腰の状態を作って相手を誘い,反撃するような技もありますが,八極拳には向きません。
そしてもう一つがこれ。
IMG_0149.jpg
八極拳にとってはこの立ち方は論外です。足を払われれば簡単に転ばされてしまうし,体捌きが効かなくなるので相手の攻撃を簡単にもらってしまいます。
もちろん門派によっては,あえてこのような立ち方をする場合もあります。
以上,今後の練習に役立てていきましょう(^▽^)/

沈墜勁やら震脚やらを誤解していたという話

現在は武術や格闘技の情報というものはインターネットを通して容易に得ることができるようになりました。しかし、インターネットが広まる前はそういった情報は専門の雑誌や書籍ぐらいからしか得られませんでした。私も発勁というものの仕組みがよくわかっていなかった時期はそういった媒体を通して発勁というものの知識を得ていったわけですが、そういった時にまず間違いなく出くわすものが沈墜勁・十字勁・纏糸勁という、俗に三大勁論と呼ばれるものです。この三大勁論を提唱したのは武壇の徐紀氏であり、結論から言ってしまえばこの三大勁論は飽くまで武壇に特有の概念でありあらゆる門派の発勁に対して普遍的に当てはめられるものではありません。しかし、自分がやっている門派の情報が思うように手に入らない駆け出しの初心者だった頃の自分は、発勁というものは何でもこの三大勁論で説明できると思い込んでしまいました。今回はその中でも沈墜勁というものと、それに付随する震脚というものについて、私がどれほどアホな誤解をしていたのかということを述べてみたいと思います。
さて、まずは私がこの沈墜勁というものをどのように誤解していたのかということを述べてみたいと思います。私はこの沈墜勁を「身体を深く沈めることで強い力を発揮するもの」と思い込んでいました。体を深く沈めると両腿にはかなりの力感を感じることになります。自分一人だけで型をやっている限り、「なんだかすごい力が出ているぞ」という感覚にとらわれたとしても無理ないのかもしれません。さらに八極拳の場合は震脚という足で地面を踏み鳴らすことで打撃力を上げるという技法があります。足で地面を踏み鳴らすと「見かけの体重」というものを上げることができます。見かけの体重とは、例えば体重計の上に乗って足をドスンと踏み鳴らすと体重計の針は一瞬だけ実際の体重の数値を超えた数値を示しますが、この一瞬だけ増えた体重のことを「見かけの体重」といいます。
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ご存知のように体重が重い人ほど強力な打撃を放つことができます。つまり、震脚で見かけの体重を増やしつつ体を深く沈めて沈墜勁を発揮すれば強力な打撃を放つことができる、これぞ八極拳の打撃だ!などと思い込んでいたわけですが、いや~アホ丸出しですな。
それでは今までの考え方は何が間違っていたのでしょうか?
そもそも沈墜勁というものは,「重心を沈めてしっかりとした基礎力を身に付けること」(BABジャパン刊 発勁の秘伝と極意 p30より)なのだそうです。打撃力を上げる技術ではなかったわけです。そして基本的に打撃というものは横に立っている相手に対して放つものです。ということは強力な打撃を放つためには水平方向の推進力を増幅させなければならないわけです。身体を深く沈めると地面と体の重心との距離が縮むので確かに取っ組み合いになったときに身体を安定させるという効果があります。しかしそれだけでは横方向の推進力とは無関係です。さらに、型を演じるときにやたら低い姿勢を盲信する人がいたりしますが、もちろん足腰の鍛練という点ではそういったこともありだと思いますが、実は、実際に打撃を放つということになるとあまりにも深く沈んだ姿勢というものはかえって打撃の威力を落としてしまいます。八極拳で強い打撃を放つためには横方向への飛び出しの勢いが重要なのですが、ある程度腰の位置を高くした状態と低く沈めた状態とどちらが横方向への飛び出しに向いているでしょうか?これは、サドルの高い自転車とサドルの低い自転車のどちらがこぎやすいか?を考えれば明らかなことでしょう。
snap_gongze_20198413349.jpg

そして震脚で見かけの体重を増やすということですが、いくら見かけの体重を増やしたところでその力の方向は下に向かっているわけです。横方向への推進力とは無関係です。
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それでは強力な打撃を放つための正しい方法とはどのようなものか?
まず一つ言えることは位置エネルギーを利用するということでしょう。例えばジェットコースターのようなレールの頂上からボールを転がした場合、頂上で得られた位置エネルギーは全て水平方向への運動エネルギーへと変換されます。
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このことを利用して例えば八極拳の冲捶を放つ時に、踏み込むとともに体の重心が滑らかなカーブを描くようにすれば体の重心が持っていた位置エネルギーを水平方向の推進力に転換することができます。そのためにはしっかりと身体を支えられる足腰が必要であることは言うまでもないでしょう。
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そして踏み込んだ足が着地するときに震脚をするわけですが、この時に地面を掻き込むように震脚すると、前足で身体を引き寄せる力と地面からの反発力を利用して横方向への推進力を増幅することができます。ちなみにこのような足の使い方を八極拳では蹍歩と呼びます。
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つまり震脚とは横方向への体の推進力を増すためにやるものであり単に地面を踏み鳴らすものではないということです。と言いますか力任せに地面を踏み鳴らすような動きは体に悪いのでやめたほうがよいです。
武術の技法についてかつての私のような誤解をしている人はまだ多いのかもしれません。今後はそういった誤解がどんどんはれていってほしいと思います。
(参考書籍 手塚一志著 ピッチングの正体)

通備拳斬卸会会員 K氏の上達

当会の会員にKさんという方がいらっしゃいます。当会に通い始めてから半年強になろうというところでしょうか、当会で八極拳をとても熱心に学ばれている方です。
今回、こちらのKさんの上達ぶりに光るものがあると思い紹介させていただこうと思います。
まずこちらは、以前に私とKさんがちょっとしたお遊びで行った八極拳対ボクシングの対決動画です。

ほんのちょっとした動画なのですがこれだけを見ても、この頃のKさんの動きは、足をばたつかせ、腰が引け、パンチを怖がって顔を下に向けてしまうというダメダメなものであるということが分かります。ついでに言うとyoutubeのコメント欄に「これホントに八極拳なのか?」みたいなコメントが書かれていました(笑)
さて、こちらが最近撮った私のボクシング的な攻撃に対しKさんが八極拳の技で返すという練習の動画です。

いかがでしょうか?私の攻撃に対してしっかりと八極拳の技で対応できるようになっています。ここでK氏がやっている構えは私が開発した八極相撲の構え というもので、両腕を一本の槍と化すためのものです。八極拳の技とは槍の身法が元になったものです。八極相撲の構えを使えば素手の闘いにおいても容易に槍の身法を生かせるようになるわけです。
巷の中国武術教室では何年やってもちっとも上達しない、それどころか今まで学んだ套路とは無関係なパチモノ格闘を教えられるということが非常に多いです。また、組手練習をやらないので技の感覚がつかめず、指導者に組手練習をしたいとお願いしても「お前にはまだ早い!」などと言われて断られたりします。なぜそこまで組手練習を嫌うのかと言えば、組手練習をやらせると生徒の方が強くなってしまい指導者面できなくなるのが怖いからというのが最大の理由と思いますが、これについてはまた後ほど詳しく書いてみようと思います。ちなみに私は組手練習上等かかってこいщ(゚Д゚щ)カモーンの立場です。
ともあれ、御覧の通りK氏はしっかりと八極拳の技術を身に付けて上達していっております。無論、まだまだ課題は山のようにあるのは事実ですが、このまま八極拳の道を見据えて取り組んでいってくれれば、いずれは八極拳の腕前にかけては世界一のレベルになってくれるものと期待しております。

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