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Author:gongze
FC2ブログへようこそ!
初めまして宮沢雅宏と申します。
中国の西安において馬賢達老師と
田春陽老師より中国伝統武術である
通備拳を学んでまいりました。
このブログには武術に関する理論やエッセイを掲載してまいります。
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もはや何度も言っていることですが武術とは武器術のことです。例え素手で動いていたとしてもその動きは武器術として応用できなければいけない、そこが我々が行う武術とリング上で行う格闘技との大きな違いです。こういった理解が未だ世間一般には浸透していないということは残念なことだと思います。さて、武術というものは主に武器格闘戦用の闘争技術なわけですが、そうした技術はいざという時に凶刃から自分の身を守るということにもつながります。むしろ刃物に対しては格闘技的な動きの方が危険であるということを認識しておくべきです。
刃物による攻撃で一番恐ろしいのが刺突です。もちろん切りつけられても大怪我にはつながりますが、致命傷となるのは圧倒的に刺突でしょう。なので、刃物に対する防御を考える場合、刺突を防ぐことが最優先課題となります。ここで格闘技の構えと武術の構えを比較してみましょう。何度も言っていることですが格闘技というものは両拳を思う存分振り回せるように体の正面を相手に向けて構えるのが普通です。しかしこういった構えは刃物を持った相手から見た場合、刺せる面積が非常に広くなります。

それに対して武術の構えは相手に対して極端に半身を切ります。これはもちろん武器を操作するために極端な半身になるわけですが、同時に相手から見える体の面積を出来るだけ小さくするという効果もあります。この状態から腕で身体の中心をがっちりと守ることで刺突から身体の急所を守ることができるわけです。

もし突然凶刃に襲われた場合にとっさにこの構えをとれれば、助かる可能性をかなり高めることができるでしょう。もちろん場合によっては腕を失うことになるかもしれませんが、死ぬよりはマシです。そしてこの体勢からは横蹴りが出しやすいです。横蹴りは格闘技の試合ではあまり使われることのない蹴りですが、護身という観点から見た場合、これほど有効な蹴りはありません。あらゆる蹴り技のうちで最もリーチが長いので、相手の脛や膝など自分にとって最も近い場所の部位に横蹴りをたたき込めれば離脱するうえで非常に有効です。靴を履いての横蹴りは非常に強力なので、うまくいけば相手の膝を砕けるかもしれません。

しかし護身の基本は飽くまで離脱です。間違っても刃物をもった相手を取り押さえようなどと考えてはいけません。
そしてこの構えに上乗せする形で鞄などで正中線を守ればさらに身体を守りやすくなります。


人間というものはとっさの時には普段やってる動きが出てしまうものです。とっさの時にレスリングや総合格闘技などの動きが出てしまった場合、刺される可能性を自ら上げてしまうことになるでしょう。とっさの時に取る姿勢を私は防御姿勢と名付けました。武術の動きこそが防御姿勢において最も有効な動きであると私は考えています。
もっとも、最高の護身術というものは危険なことに遭遇しないことです。そのためには危険な場所に近づかない、不必要なトラブルは起こさない、普段から周囲に気を配るなどの心掛けが必要と言えます。そういった見えない部分の対処というものは軍略、兵略、戦略につながるかもしれませんね。武術を行う上でそうした軍略的な知識もある方がよいと私は思います。
さて、ここからは単なるオマケなので読み飛ばしていただいて構いません。以前youtube上で「相手がナイフを持って、めっちゃ強くても奪い取れる」などというタイトルの動画を見ました。拝見してみると非常に体の大きな人が思いっきり体の正面を相手にさらすような立ち方をしつつ無抵抗な相手に対して得意げに関節技をかけているというものでした。さすがに私もあきれ返ったのでその動画に、「絶対に無理です。私がナイフを持って暴れて見せるのでぜひ奪い取ってください」とコメントしておいたのですが、見事に削除されました。 どうも護身術の世界ではかなり有名な方のようですが、自分でも出来るわけないと思っている技術を広める態度は感心しません。もちろんあくまで演武上のことであると断っているのならば話は別です。このことは護身術だけでなく中国武術の世界においても、武術とはまるで関係のない劣化格闘技のようなものを広める人たちにも言えると思います。
刃物による攻撃で一番恐ろしいのが刺突です。もちろん切りつけられても大怪我にはつながりますが、致命傷となるのは圧倒的に刺突でしょう。なので、刃物に対する防御を考える場合、刺突を防ぐことが最優先課題となります。ここで格闘技の構えと武術の構えを比較してみましょう。何度も言っていることですが格闘技というものは両拳を思う存分振り回せるように体の正面を相手に向けて構えるのが普通です。しかしこういった構えは刃物を持った相手から見た場合、刺せる面積が非常に広くなります。

それに対して武術の構えは相手に対して極端に半身を切ります。これはもちろん武器を操作するために極端な半身になるわけですが、同時に相手から見える体の面積を出来るだけ小さくするという効果もあります。この状態から腕で身体の中心をがっちりと守ることで刺突から身体の急所を守ることができるわけです。

もし突然凶刃に襲われた場合にとっさにこの構えをとれれば、助かる可能性をかなり高めることができるでしょう。もちろん場合によっては腕を失うことになるかもしれませんが、死ぬよりはマシです。そしてこの体勢からは横蹴りが出しやすいです。横蹴りは格闘技の試合ではあまり使われることのない蹴りですが、護身という観点から見た場合、これほど有効な蹴りはありません。あらゆる蹴り技のうちで最もリーチが長いので、相手の脛や膝など自分にとって最も近い場所の部位に横蹴りをたたき込めれば離脱するうえで非常に有効です。靴を履いての横蹴りは非常に強力なので、うまくいけば相手の膝を砕けるかもしれません。

しかし護身の基本は飽くまで離脱です。間違っても刃物をもった相手を取り押さえようなどと考えてはいけません。
そしてこの構えに上乗せする形で鞄などで正中線を守ればさらに身体を守りやすくなります。


人間というものはとっさの時には普段やってる動きが出てしまうものです。とっさの時にレスリングや総合格闘技などの動きが出てしまった場合、刺される可能性を自ら上げてしまうことになるでしょう。とっさの時に取る姿勢を私は防御姿勢と名付けました。武術の動きこそが防御姿勢において最も有効な動きであると私は考えています。
もっとも、最高の護身術というものは危険なことに遭遇しないことです。そのためには危険な場所に近づかない、不必要なトラブルは起こさない、普段から周囲に気を配るなどの心掛けが必要と言えます。そういった見えない部分の対処というものは軍略、兵略、戦略につながるかもしれませんね。武術を行う上でそうした軍略的な知識もある方がよいと私は思います。
さて、ここからは単なるオマケなので読み飛ばしていただいて構いません。以前youtube上で「相手がナイフを持って、めっちゃ強くても奪い取れる」などというタイトルの動画を見ました。拝見してみると非常に体の大きな人が思いっきり体の正面を相手にさらすような立ち方をしつつ無抵抗な相手に対して得意げに関節技をかけているというものでした。さすがに私もあきれ返ったのでその動画に、「絶対に無理です。私がナイフを持って暴れて見せるのでぜひ奪い取ってください」とコメントしておいたのですが、見事に削除されました。 どうも護身術の世界ではかなり有名な方のようですが、自分でも出来るわけないと思っている技術を広める態度は感心しません。もちろんあくまで演武上のことであると断っているのならば話は別です。このことは護身術だけでなく中国武術の世界においても、武術とはまるで関係のない劣化格闘技のようなものを広める人たちにも言えると思います。
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馬賢達老師が著された中国短兵の中に技術と戦術についての記述がありました。今回は技術と戦術に戦略というものを加えて私なりに思うところを述べてみたいと思います。
まず技術とは何かといえば、これは単純に技であると言えると思います。例えばボクシングならばストレートパンチ、柔道ならば大外刈りのように個々の技のことを指すと言えるでしょう。それでは戦術とは何かというと、それら個々の技をどのように使うかと言うことだと言えます。例えばボクシングの場合はストレートパンチをいきなり放ってもまず当たらないので、ジャブで相手の体勢を崩しチャンスと見たところでストレートパンチを放っていく、柔道の場合もいきなり大外刈りをかけてもまず決まらないので相手を推したり引いたりして崩してチャンスと見たら大外刈りをかけていく、このようなものが戦術であると言えます。馬賢達老師は中国短兵において技術と戦術を分けて練習してはいけないと書かれていました。つまり、どのように技術を使うのかまでも含めて練習体系を構築しろということですね。
さらに私はここに戦略という概念を加えたいと思います。
かつての日本の軍隊では戦略とは目に見えないものだと定義していました。対して、戦術とは目に見えるものと言うことになります。つまり、実際に戦場で銃やミサイルを打ち合ったりするのは戦術的な戦い方であり、対して相手の生産工場や補給網を叩いたり情報操作を行ったりするのは戦略的な戦い方と言うことになります。かつての日本軍はこの戦略的な考え方が弱く、精神論を振りかざした末に大敗をしてしまったことは日本人ならばよく知るところです。この戦略というものが理解できないと勝負ごとにおいて勝ち続けるのは難しいと思います。スポーツでも格闘技でも勝ち続ける選手には必ず戦略を理解した指導者がついています。具体例を挙げましょう。例えばボクシングの場合、実際にリングの上で殴り合うための技術を身に付けるのは当然のことです。しかし、選手がいくら頑張って技術を習得したとしてもそれだけで勝ち続けるのは難しいでしょう。もちろん精神論や根性論で多少勝つということはできます、しかしそうした勝ち方というのはいつまでも続くものではありませんし、下手したらパンチドランカー一直線です。優れた指導者は、まず選手の練習環境を充実させることを第一に置きます。すなわち自分の指導する選手と対戦相手のデータを的確に分析し、それに合わせた練習方式を考案し、優れたミット持ちを雇い、様々なタイプのスパーリングパートナーを用意し、シチュエーションに合わせたトレーニンググッズを購入し、選手の体調のケアも万全にする。こうして練習環境を充実させることで勝ち続けられる選手が生まれるわけです。リング上の選手だけ見ていても、なぜその選手が強いのかを理解することは難しいでしょう。さらに選手の試合中にセコンドとしてどれだけ的確なアドバイスを与えられるかということも重要です。私は格闘技の勝敗において選手自身が関わる割合は3割にも満たないと考えています。7割以上は選手を支えるチームの力です。たまに「~選手が強いのは鋭い右ストレートを持っているからだ」のような、表面的な事だけしか言わない人がいますが、そうした人は指導者としては五流以下でしょう。戦略という部分がまるで見えてないわけです。このように格闘技的な強さというものは周りで支えてくれるチームの力があってこそのものです。
対して武術の場合は格闘技のようなチームを組むことはできません。いつ闘うかが決まっているわけでもないですし、対戦相手が誰か分かるわけでもないからです。当然、闘っているときにセコンドのアドバイスはありません。武術における戦略は選択肢を広げることであると言えるでしょう。武器を使えるならば武器を使う、それも相手より強い武器があれば迷わず使う、ときには逃げることもある。つまり想定されるシチュエーションに合わせた最適な選択肢を用意しておくことが武術的な戦略と言えるでしょう。何事も勝負は見えないところが重要なのです。ただし、個々の技術を磨くためにはしっかりとルール化された対抗性動作をこなす必要があることを忘れてはいけません。つまり練習の時は正々堂々とスポーツマンシップに則る、しかし実戦ともなれば卑怯な手段を選択することもあり得る、こうした「練習と実戦のジレンマ」をしっかり意識することが武術の練習においては重要です。
くれぐれも卑怯なことだけを考えて人間の屑とならないように気を付けましょう。
(参考文献 ランチェスター戦略の基本がわかる本 ランチェスター戦略研究会著)
まず技術とは何かといえば、これは単純に技であると言えると思います。例えばボクシングならばストレートパンチ、柔道ならば大外刈りのように個々の技のことを指すと言えるでしょう。それでは戦術とは何かというと、それら個々の技をどのように使うかと言うことだと言えます。例えばボクシングの場合はストレートパンチをいきなり放ってもまず当たらないので、ジャブで相手の体勢を崩しチャンスと見たところでストレートパンチを放っていく、柔道の場合もいきなり大外刈りをかけてもまず決まらないので相手を推したり引いたりして崩してチャンスと見たら大外刈りをかけていく、このようなものが戦術であると言えます。馬賢達老師は中国短兵において技術と戦術を分けて練習してはいけないと書かれていました。つまり、どのように技術を使うのかまでも含めて練習体系を構築しろということですね。
さらに私はここに戦略という概念を加えたいと思います。
かつての日本の軍隊では戦略とは目に見えないものだと定義していました。対して、戦術とは目に見えるものと言うことになります。つまり、実際に戦場で銃やミサイルを打ち合ったりするのは戦術的な戦い方であり、対して相手の生産工場や補給網を叩いたり情報操作を行ったりするのは戦略的な戦い方と言うことになります。かつての日本軍はこの戦略的な考え方が弱く、精神論を振りかざした末に大敗をしてしまったことは日本人ならばよく知るところです。この戦略というものが理解できないと勝負ごとにおいて勝ち続けるのは難しいと思います。スポーツでも格闘技でも勝ち続ける選手には必ず戦略を理解した指導者がついています。具体例を挙げましょう。例えばボクシングの場合、実際にリングの上で殴り合うための技術を身に付けるのは当然のことです。しかし、選手がいくら頑張って技術を習得したとしてもそれだけで勝ち続けるのは難しいでしょう。もちろん精神論や根性論で多少勝つということはできます、しかしそうした勝ち方というのはいつまでも続くものではありませんし、下手したらパンチドランカー一直線です。優れた指導者は、まず選手の練習環境を充実させることを第一に置きます。すなわち自分の指導する選手と対戦相手のデータを的確に分析し、それに合わせた練習方式を考案し、優れたミット持ちを雇い、様々なタイプのスパーリングパートナーを用意し、シチュエーションに合わせたトレーニンググッズを購入し、選手の体調のケアも万全にする。こうして練習環境を充実させることで勝ち続けられる選手が生まれるわけです。リング上の選手だけ見ていても、なぜその選手が強いのかを理解することは難しいでしょう。さらに選手の試合中にセコンドとしてどれだけ的確なアドバイスを与えられるかということも重要です。私は格闘技の勝敗において選手自身が関わる割合は3割にも満たないと考えています。7割以上は選手を支えるチームの力です。たまに「~選手が強いのは鋭い右ストレートを持っているからだ」のような、表面的な事だけしか言わない人がいますが、そうした人は指導者としては五流以下でしょう。戦略という部分がまるで見えてないわけです。このように格闘技的な強さというものは周りで支えてくれるチームの力があってこそのものです。
対して武術の場合は格闘技のようなチームを組むことはできません。いつ闘うかが決まっているわけでもないですし、対戦相手が誰か分かるわけでもないからです。当然、闘っているときにセコンドのアドバイスはありません。武術における戦略は選択肢を広げることであると言えるでしょう。武器を使えるならば武器を使う、それも相手より強い武器があれば迷わず使う、ときには逃げることもある。つまり想定されるシチュエーションに合わせた最適な選択肢を用意しておくことが武術的な戦略と言えるでしょう。何事も勝負は見えないところが重要なのです。ただし、個々の技術を磨くためにはしっかりとルール化された対抗性動作をこなす必要があることを忘れてはいけません。つまり練習の時は正々堂々とスポーツマンシップに則る、しかし実戦ともなれば卑怯な手段を選択することもあり得る、こうした「練習と実戦のジレンマ」をしっかり意識することが武術の練習においては重要です。
くれぐれも卑怯なことだけを考えて人間の屑とならないように気を付けましょう。
(参考文献 ランチェスター戦略の基本がわかる本 ランチェスター戦略研究会著)
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