プロフィール
Author:gongze
FC2ブログへようこそ!
初めまして宮沢雅宏と申します。
中国の西安において馬賢達老師と
田春陽老師より中国伝統武術である
通備拳を学んでまいりました。
このブログには武術に関する理論やエッセイを掲載してまいります。
本格中国武術教室通備拳斬卸会、現在会員募集中です!
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馬賢達老師が著された中国短兵の中に技術と戦術についての記述がありました。今回は技術と戦術に戦略というものを加えて私なりに思うところを述べてみたいと思います。
まず技術とは何かといえば、これは単純に技であると言えると思います。例えばボクシングならばストレートパンチ、柔道ならば大外刈りのように個々の技のことを指すと言えるでしょう。それでは戦術とは何かというと、それら個々の技をどのように使うかと言うことだと言えます。例えばボクシングの場合はストレートパンチをいきなり放ってもまず当たらないので、ジャブで相手の体勢を崩しチャンスと見たところでストレートパンチを放っていく、柔道の場合もいきなり大外刈りをかけてもまず決まらないので相手を推したり引いたりして崩してチャンスと見たら大外刈りをかけていく、このようなものが戦術であると言えます。馬賢達老師は中国短兵において技術と戦術を分けて練習してはいけないと書かれていました。つまり、どのように技術を使うのかまでも含めて練習体系を構築しろということですね。
さらに私はここに戦略という概念を加えたいと思います。
かつての日本の軍隊では戦略とは目に見えないものだと定義していました。対して、戦術とは目に見えるものと言うことになります。つまり、実際に戦場で銃やミサイルを打ち合ったりするのは戦術的な戦い方であり、対して相手の生産工場や補給網を叩いたり情報操作を行ったりするのは戦略的な戦い方と言うことになります。かつての日本軍はこの戦略的な考え方が弱く、精神論を振りかざした末に大敗をしてしまったことは日本人ならばよく知るところです。この戦略というものが理解できないと勝負ごとにおいて勝ち続けるのは難しいと思います。スポーツでも格闘技でも勝ち続ける選手には必ず戦略を理解した指導者がついています。具体例を挙げましょう。例えばボクシングの場合、実際にリングの上で殴り合うための技術を身に付けるのは当然のことです。しかし、選手がいくら頑張って技術を習得したとしてもそれだけで勝ち続けるのは難しいでしょう。もちろん精神論や根性論で多少勝つということはできます、しかしそうした勝ち方というのはいつまでも続くものではありませんし、下手したらパンチドランカー一直線です。優れた指導者は、まず選手の練習環境を充実させることを第一に置きます。すなわち自分の指導する選手と対戦相手のデータを的確に分析し、それに合わせた練習方式を考案し、優れたミット持ちを雇い、様々なタイプのスパーリングパートナーを用意し、シチュエーションに合わせたトレーニンググッズを購入し、選手の体調のケアも万全にする。こうして練習環境を充実させることで勝ち続けられる選手が生まれるわけです。リング上の選手だけ見ていても、なぜその選手が強いのかを理解することは難しいでしょう。さらに選手の試合中にセコンドとしてどれだけ的確なアドバイスを与えられるかということも重要です。私は格闘技の勝敗において選手自身が関わる割合は3割にも満たないと考えています。7割以上は選手を支えるチームの力です。たまに「~選手が強いのは鋭い右ストレートを持っているからだ」のような、表面的な事だけしか言わない人がいますが、そうした人は指導者としては五流以下でしょう。戦略という部分がまるで見えてないわけです。このように格闘技的な強さというものは周りで支えてくれるチームの力があってこそのものです。
対して武術の場合は格闘技のようなチームを組むことはできません。いつ闘うかが決まっているわけでもないですし、対戦相手が誰か分かるわけでもないからです。当然、闘っているときにセコンドのアドバイスはありません。武術における戦略は選択肢を広げることであると言えるでしょう。武器を使えるならば武器を使う、それも相手より強い武器があれば迷わず使う、ときには逃げることもある。つまり想定されるシチュエーションに合わせた最適な選択肢を用意しておくことが武術的な戦略と言えるでしょう。何事も勝負は見えないところが重要なのです。ただし、個々の技術を磨くためにはしっかりとルール化された対抗性動作をこなす必要があることを忘れてはいけません。つまり練習の時は正々堂々とスポーツマンシップに則る、しかし実戦ともなれば卑怯な手段を選択することもあり得る、こうした「練習と実戦のジレンマ」をしっかり意識することが武術の練習においては重要です。
くれぐれも卑怯なことだけを考えて人間の屑とならないように気を付けましょう。
(参考文献 ランチェスター戦略の基本がわかる本 ランチェスター戦略研究会著)
まず技術とは何かといえば、これは単純に技であると言えると思います。例えばボクシングならばストレートパンチ、柔道ならば大外刈りのように個々の技のことを指すと言えるでしょう。それでは戦術とは何かというと、それら個々の技をどのように使うかと言うことだと言えます。例えばボクシングの場合はストレートパンチをいきなり放ってもまず当たらないので、ジャブで相手の体勢を崩しチャンスと見たところでストレートパンチを放っていく、柔道の場合もいきなり大外刈りをかけてもまず決まらないので相手を推したり引いたりして崩してチャンスと見たら大外刈りをかけていく、このようなものが戦術であると言えます。馬賢達老師は中国短兵において技術と戦術を分けて練習してはいけないと書かれていました。つまり、どのように技術を使うのかまでも含めて練習体系を構築しろということですね。
さらに私はここに戦略という概念を加えたいと思います。
かつての日本の軍隊では戦略とは目に見えないものだと定義していました。対して、戦術とは目に見えるものと言うことになります。つまり、実際に戦場で銃やミサイルを打ち合ったりするのは戦術的な戦い方であり、対して相手の生産工場や補給網を叩いたり情報操作を行ったりするのは戦略的な戦い方と言うことになります。かつての日本軍はこの戦略的な考え方が弱く、精神論を振りかざした末に大敗をしてしまったことは日本人ならばよく知るところです。この戦略というものが理解できないと勝負ごとにおいて勝ち続けるのは難しいと思います。スポーツでも格闘技でも勝ち続ける選手には必ず戦略を理解した指導者がついています。具体例を挙げましょう。例えばボクシングの場合、実際にリングの上で殴り合うための技術を身に付けるのは当然のことです。しかし、選手がいくら頑張って技術を習得したとしてもそれだけで勝ち続けるのは難しいでしょう。もちろん精神論や根性論で多少勝つということはできます、しかしそうした勝ち方というのはいつまでも続くものではありませんし、下手したらパンチドランカー一直線です。優れた指導者は、まず選手の練習環境を充実させることを第一に置きます。すなわち自分の指導する選手と対戦相手のデータを的確に分析し、それに合わせた練習方式を考案し、優れたミット持ちを雇い、様々なタイプのスパーリングパートナーを用意し、シチュエーションに合わせたトレーニンググッズを購入し、選手の体調のケアも万全にする。こうして練習環境を充実させることで勝ち続けられる選手が生まれるわけです。リング上の選手だけ見ていても、なぜその選手が強いのかを理解することは難しいでしょう。さらに選手の試合中にセコンドとしてどれだけ的確なアドバイスを与えられるかということも重要です。私は格闘技の勝敗において選手自身が関わる割合は3割にも満たないと考えています。7割以上は選手を支えるチームの力です。たまに「~選手が強いのは鋭い右ストレートを持っているからだ」のような、表面的な事だけしか言わない人がいますが、そうした人は指導者としては五流以下でしょう。戦略という部分がまるで見えてないわけです。このように格闘技的な強さというものは周りで支えてくれるチームの力があってこそのものです。
対して武術の場合は格闘技のようなチームを組むことはできません。いつ闘うかが決まっているわけでもないですし、対戦相手が誰か分かるわけでもないからです。当然、闘っているときにセコンドのアドバイスはありません。武術における戦略は選択肢を広げることであると言えるでしょう。武器を使えるならば武器を使う、それも相手より強い武器があれば迷わず使う、ときには逃げることもある。つまり想定されるシチュエーションに合わせた最適な選択肢を用意しておくことが武術的な戦略と言えるでしょう。何事も勝負は見えないところが重要なのです。ただし、個々の技術を磨くためにはしっかりとルール化された対抗性動作をこなす必要があることを忘れてはいけません。つまり練習の時は正々堂々とスポーツマンシップに則る、しかし実戦ともなれば卑怯な手段を選択することもあり得る、こうした「練習と実戦のジレンマ」をしっかり意識することが武術の練習においては重要です。
くれぐれも卑怯なことだけを考えて人間の屑とならないように気を付けましょう。
(参考文献 ランチェスター戦略の基本がわかる本 ランチェスター戦略研究会著)
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