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初めまして宮沢雅宏と申します。
中国の西安において馬賢達老師と
田春陽老師より中国伝統武術である
通備拳を学んでまいりました。
このブログには武術に関する理論やエッセイを掲載してまいります。

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散打競技のルールに回し蹴りを認めることはおかしい

中国武術におけるいわゆる組手にあたる部分を散手,または散打と呼ぶわけですが,この散打について現在の中国では武術とはあまり関係のない一つの競技として確立されているという印象を受けます。かつては日本でも武術の技を何とか競技化しようとして様々なルールが考案されて大会が開かれたりしてきたわけですが,そうした大会ルールにあわせた動きをしようとするとどうしても本来自分がやっている武術というジャンルの動きからかけ離れたものになってしまい,率直に言ってしまえばどれもこれも失敗していたと言えるでしょう。ところで,私はそういった散打競技を見ていて常々疑問に思っていることがあります。それはなぜ回し蹴りを禁止にしないのかということです。私が知っている限りどの散打大会のルールでも回し蹴りは認められていたと思います。
もし中国武術をやられている方がこの記事を読んでいるのならば,ぜひご自分のやられている門派の套路を確認してみてください。回し蹴りはほとんどないはずです。たま~に里合腿のような蹴りは出てきますが,ごくまれなことです。ではなぜ中国武術にはほとんど回し蹴りがないのでしょうか?
まず試合を考えてみましょう。大抵の場合,試合は裸足で行います。そして金的蹴りや関節蹴りなどの危険な技は禁止されています。対して中国武術の闘いは靴を履いていることが想定されています。また,金的蹴りや関節蹴りなどの危険な技も禁止されてはいません。回し蹴りというものは裸足で,かつ金的攻撃などが禁止されている試合においては非常に有効な技ですが,蹴るときに体の中心を相手にさらしてしまうので金的蹴りの餌食になりやすいです。また靴を履いていると足の爪先を武器として使用できるようになりますので,回し蹴りのように外側を回るような足の軌道で蹴るよりも直線的に爪先で蹴るほうがより速く強力な蹴りを繰り出すことができますさらに自分が回し蹴りを放ったとして当たった瞬間の相手と自分の位置関係は,相手が手を伸ばせばこちらの衣服などを掴める状態になっています。衣服を掴まれて頭突きなどを食らうと非常に危険です。以上のような理由から中国武術では回し蹴りはほとんど使われない,たまに奇襲技として出てくる程度なのですが,これが散打競技となるとなぜか回し蹴りがメインウェポンとして活躍してしまっているわけです。ですから,武術の技を何とか競技化したいと考えるのであれば少なくとも回し蹴りは禁止しなきゃダメというわけです。かつて私が馬賢達先生に散手を習った時も回し蹴りの使用は厳しく禁じられました。やはり真の名人ともなるとそういったことは分かっているものなのですね。ただ,回し蹴りを蹴らないことと出来ないことは違う ということはよく踏まえておくべきです。

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コメント

散打試合には何回か参加したことがある者です。
試合で前蹴りを使っていると、なぜか相手はあまり回し蹴りを出してこなくなりました。
金的を蹴るわけではありませんが、似たような効果があるのかも知れません。

Re: タイトルなし

> 散打試合には何回か参加したことがある者です。
> 試合で前蹴りを使っていると、なぜか相手はあまり回し蹴りを出してこなくなりました。
> 金的を蹴るわけではありませんが、似たような効果があるのかも知れません。

実際に見てみないと何とも言えないですが,ムエタイのティープみたいに相手の出だしを止めていたのかもしれませんね。


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